<楽しみにしているのさ。>


  タダ者には見えない 王者の風格、 その名は < クウ >。 ( オス )
仏法の 『 空思想 』 から名づけられたのか、よく 食う からなのか 定かではない。

 お参りに行くと 玄関にて出迎え、仏間まで先導。     お勤め中は、奥ゆかしく 横に離れること 2メートル。
お経の声が止まると 撫でてもらう為 ゆっくり 立ち上がるが、又 お経が始まったため 何事も無かった風を装い 毛づくろい。         今度こそ 終わったかと 確かめながら 一声  『  にゃ~。 』

 いつもの如く 美味しくコーヒーを頂いているお坊さんに 首を押し付け ・・・ 『 撫でてくれよ。 』
少し撫でて コーヒーを飲もうとすると カップを持つ手を押さえ ジッと見つめ上げ ・・・  『 もっと 撫でてくれよ。 』
頭・首・背中・・・順に押し付けながら クルクル 廻る。        おそらく、 帰らないなら 何時間でも お坊さんと遊び、歓迎の接待をし続けるであろう <クウ>。

 帰るお坊さんは 見送りに出た事はない、一度も。
なぜって?          サヨナラ は言いたくないからさ。           そこだけ クールな <クウ >。

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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