
<楽しみにしているのさ。>
タダ者には見えない 王者の風格、 その名は < クウ >。 ( オス )
仏法の 『 空思想 』 から名づけられたのか、よく 食う からなのか 定かではない。
お参りに行くと 玄関にて出迎え、仏間まで先導。 お勤め中は、奥ゆかしく 横に離れること 2メートル。
お経の声が止まると 撫でてもらう為 ゆっくり 立ち上がるが、又 お経が始まったため 何事も無かった風を装い 毛づくろい。 今度こそ 終わったかと 確かめながら 一声 『 にゃ~。 』
いつもの如く 美味しくコーヒーを頂いているお坊さんに 首を押し付け ・・・ 『 撫でてくれよ。 』
少し撫でて コーヒーを飲もうとすると カップを持つ手を押さえ ジッと見つめ上げ ・・・ 『 もっと 撫でてくれよ。 』
頭・首・背中・・・順に押し付けながら クルクル 廻る。 おそらく、 帰らないなら 何時間でも お坊さんと遊び、歓迎の接待をし続けるであろう <クウ>。
帰るお坊さんは 見送りに出た事はない、一度も。
なぜって? サヨナラ は言いたくないからさ。 そこだけ クールな <クウ >。