怪人二十一面相・那須恵斉先生。

 なんとも あたたかく、かわいらしい仏様でしょう?
カレンダーや 本願寺の出版物の挿絵を見ていて、何十年も前から 那須先生の画が とても好きでした。  気になっていました。
先生の挿絵があると、むつかしいお話が書いてあっても なんとなく す~と 読めそうでした。

 まさか お遇いしてお話ができる日がくるとは思っていませんでした。      表装をはじめてから お出会いしたものですから 画や表装について色々なお話を 興味深く聞かせて頂くことができました。    大阪の真宗寺院のご住職でもあり 布教使でもおありでしたので、私も僧侶であるとわかると そのお話は <法を伝える> という事にまで広がっていきました。

    『 昔からあるような 決まり切った単語と言葉で 話しても、人には全く伝わらんで。
     立派な話にならんでも・・ 難儀でも 自分の言葉を探して 話せんとなあ。   なあ。 』

大きな目が 恐かったです。      先輩に頂いた言葉は 今の私にしみ込ませているつもりですが・・なんと仰るでしょう? どうですか?

 ご法話を 直に聞かせていただいた事はないのですが、探究社から出ている おそらく たった一冊書かれた 『 行雲流水 』 という本を読ませていただきました。 やはり ちょっと変わった・・・失礼、いや 鬼気迫るというか。
先生の画には あたたかい画だけでなく 恐~い画も沢山ありますが、なるほど こういう事ですかと 今でも たまに開いて頷いています。

 もう何年になるでしょう。   滋賀県のお寺での布教の後、自転車で散歩に出られ 川に落ちられて そのままお亡くなりになったと聞いた時には、声も出ませんでした。

 ホントは、海外で個展を開かれるほど <油絵> が専門で、ダンデイーで いつも画帳を小脇に抱え、<落ち葉を拾って 小さな仏様の画を描き 隣におられた女性にプレゼントしたり> 顔料を使い 沢山の方の本に挿絵を提供し、住職として お参り勤めもし、布教にも出向き・・・・・なんて、顔の沢山あるお方だったのでしょう。  その 全てが ひとつの事へ向けられてあったのでしょう?

 軸装坊主なんて <まだまだ> ですね。   よっし、まだまだ~!


  

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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