≪ 教如上人 ≫

 この一週間ほとんど家を出る事なく表装仕事をしていましたが、その中のひとつ。
 ≪ 教如上人 ≫自影軸の修復。
大阪・石山本願寺にて織田信長と戦った 本願寺11代門主 ≪ 顕如上人 ≫ の長男で、長引く戦いに和睦を選ばれた父や弟( 准如上人 )と一線を引かれた方です。
  『 権力に屈すべきではない。 必ず信長は念仏の教えを消しにかかる・・。 』 と。

 ここで、東本願寺と西本願寺に分かれました。 もちろん時の権力者、秀吉・家康や多くのひとの思惑が影響してのことでしょう。  何にせよ、顕如上人~准如上人に流れをくむのが西本願寺、顕如上人~教如上人に流れをくむのが東本願寺となっています。

 今年4月、東本願寺では教如上人の400回忌を勤修されます。 このタイミングでこの修復がまわってきた事もあり、教如上人について学びたく思っています。
 大きな歴史の上でしか学んでいませんので、きっと知らない事が多い事でしょう。 残っている資料は非常に少ないと聞いていますが・・。  

 この軸の裏書きは何故か意図的に剥がされていて、何時の年代のものかはっきりとしていません。 ・・が、絵絹・描かれている線の様子を 今までしてきた修復のものと比較して、300年位は前のものと思いました。 あきらかに 江戸後期などではありません。    鑑定士ではないので大きな声では言いませんが。    ・・・言いましたが。

 それにしても・・・やはり・・意志の強そうな表情ですよねえ。
               
 

西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

Copyright © 2010 Sairen-Ji Temple. All rights reserved.