金珉氏。彼の画は好きです

金珉氏とは長いお付き合いです。 <いつもの様に ミン君、と呼びましょう。>
彼が韓国の芸大を出て 京都芸大の日本画保存修復の修士課程に入ったくらいに出会ったような…。
 その頃 何の拍子か、私 芸大に裏打ちや表装の指導…いや、お手伝いに行っていたもので。

そのうち ミン君が自宅まで表装を習いに来たり、博士課程で制作した 縦も横も3メートルもある画の表装を手伝わされたり、 韓国の山奥のお寺に 彼の請け合った修復の仕事につれて行かれたり…

いや、嫌でやらされてた訳でなく とても楽しく勉強になる事ばかりでした…ホントに。 <涙>

 いろんな話をし、杯をかたむけ。   彼の画を たくさんの人に見てもらいたくて  『作品、全部 俺が軸装するから、早く個展しよう!』   と、たきつけ 2007年に京都で 個展開催。
メインの如来画像の前で < 聲明の夕べ > を 開いてくださる方々とも出会い……
そういえば、ミン君の画が好きで 個展に島根から駆け付けた 亡父が、 <聲明の夕べ>に感動し、  『 あの時、如来さまが 2~3歩 前に歩まれた。 』      と言い張ってました。 実に喜んでました。

ミン君は 画を持ってきても、こういう表装で…とか こんな感じでとか、全く言わないんです。
 『じゃ、よろしく お願いします。』
って 帰っていくんで。      そこから 私の苦しみと楽しみの始まりです。
   僧侶と表具師の ありったけの思いを込めて表装します。

で、出来上がったのを 見にきて 必ず言うんです。

  『 いやあ~。 栗山さん。 とっても よくなりました! カッコイイですねえ。 』

まったく。  遣り甲斐のある男です。

12月の韓国での個展にむけて 新作を軸装中です。  今回は注文がありました。
持参してきた 韓国の無地の麻裂で軸装にってことです。      これがまた 難しい裂で…
 出来上がって 珉画伯の許可がもらえれば アップします。


西蓮寺十七代住職釈知浩

古書画保存修復師

緑に囲まれた山寺

  春 鳥の声、 夏 蝉の声
   秋 虫の声、 冬 雪の声
 
     ようこそ ようこそ 

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